講話
昨日は、80周年記念イベント、本当にお疲れさまでした。
準備から当日まで、みんなそれぞれの持ち場で、ほんまによくやってくれたと思います。最後はだいぶ疲れとったと思うけど、まずは本当に、ありがとうございました。
[少し間]そのうえでね、昨日を次の80年につなげるために、今日は一つだけ、大事な話をさせてください。
まず最初に、ここはちゃんと伝えておきたいんですけど、僕は、本店のサービスレベルが低いとは全然思っていません。
日頃のお客様への対応も、写真も、着付けも、ヘアメイクも、みんな高いレベルでやってくれとる。全体として、サービスの水準は高いお店です。そこは、僕もちゃんと分かっています。
ただね、そのうえで、一つ気になっとることがあります。
僕が以前、現場によう出よった頃と比べると、店の中の明るさや、自然な笑い声、声を掛け合う空気が、正直、だいぶ弱くなっとるように感じます。
昨日、最後に僕が話したときも、顔が下を向いとったり、挨拶や反応が相手に届きにくかったりする様子がありました。
もちろん、疲れていたことは分かっています。そこを責めたいわけやない。
でも、「疲れとったから、まあ仕方ないよね」だけで終わらせたらいかん部分やとも思っています。
これはね、「社長が話しよるのに態度が悪かった」という話にしたいわけやないんです。
お客様でも、仲間でも、取引先でも、目の前に人がいるときに、「あなたを大切にしています」ということが、相手に伝わる状態になっとるか。そこが、サービスの土台やと思っています。
挨拶は、相手の存在を認める、最初のサービスです。
別に、大きな声を出せる人になってほしいわけでも、無理に明るい性格になってほしいわけでもありません。
静かな人でもいいんです。ただ、顔を向ける。相手に届く声で返す。うなずく。少し表情を返す。
それだけで、受け取る側の安心感は、ほんまに変わります。
今は、経験の浅いスタッフも多いですよね。経験が浅いこと自体は、何も悪くありません。みんな最初はそうやし、これから覚えていけばいい。
やけど、だからこそ今、ここを曖昧にしたらいかんと思っています。
経験の浅い人は、先輩の普段の姿や、この店に流れとる空気を見て、「これがイナバの基準なんや」と覚えていきます。
ですから、これは若いスタッフだけの話ではありません。僕も含めて、みんなで次の人に、どんな文化を渡していくかという話です。
80周年のテーマは、「あなたの想いが、誰かの笑顔になる。」です。
でも、想いは心の中にあるだけやと、相手には届かんとよ。
挨拶、目線、表情、うなずき、返事。そういう小さな行動になって、初めて相手に届きます。
みんなの今までを否定したくて、この話をしよるわけではありません。
今ある高いサービスを、もっと温かく、もっとイナバらしいものにして、次の世代へ渡したい。そのために、ここはみんなで大事にしていきましょう。
僕自身も、みんなへの声のかけ方や向き合い方を見直します。昨日までを責め続けるんやなくて、今日、ここから一緒に良くしていけたらと思います。
[明るく]では、今言ったことを、3分だけ実際に比べてみましょう。
比較ワーク「届かない/届く挨拶」
二人組になる (20秒)
近くの人と二人組になります。使う言葉は、両方とも同じです。
「おはようございます。今日もよろしくお願いします」
① 届きにくい挨拶 (40秒)
一人ずつ、顔や体を相手に向けず、視線も合わせない状態で言います。受け手も反応を返しません。交代して一回ずつ。
※暗さを大げさに演じたり、誰かの真似をしたりはしなくて大丈夫です。
② 相手に届く挨拶 (40秒)
今度は相手へ顔と体を向け、届く声と柔らかい表情で言います。受け手は、うなずいて「おはようございます。今日もよろしくお願いします」と返します。交代して一回ずつ。
違いを一言ずつ (40秒)
二人で、次の問いに一言ずつ答えます。
- どちらが「大切にされた」と感じた?
- 声量以外に、何が違った?
全員への締め (40秒)
ありがとうございます。たぶん、同じ言葉でも、受け取る感じは全然違ったと思います。
大事なのは、元気な人になることやなくて、相手を大切に思っとることが、相手に届くことです。
今日から、挨拶、目線、うなずき、返事。この小さいところから、イナバの明るさをみんなでつくっていきましょう。
じゃあ今日も一日、よろしくお願いします。
最後の全員挨拶が小さくても、やり直しは求めず、笑顔で「はい、ありがとう。今日もよろしくお願いします」と受け取って終了する。